kaigo_goods’s diary

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あなたならどうしますか?

ある障害者グループホームで実際に起きた事件です。

 

深夜。廊下は静まりかえっている。そ~っと居室Aの扉が開き、男Aが迷わず斜向かいの居室Bへ向かった。ガンガンガン。足に思いっきり力を込めてその居室トビラをを蹴り続け、つぎには両手でトビラをチカラまかせに連打した。ドドドドドーン。ホールウェイに打音がなりひびく。

 

おもむろに居住者男Bが出てきて男Aに飛びかかった。Bはスポーツに長けているのか右フック左ストレート右アッパーと間髪入れずに攻撃を続けた。Aは間もなく崩れ落ちた。身を丸め、Bのキックに耐えた。

 

Bがが鳴るように言った。「謝れ!」そして、キック、パンチ、ビンタ。。。「謝れ!」「謝れ!」
「謝れ!」

 

このトラブルはニ時間にも及んだ。一般的にはトラブル発生直後に仲裁に入り、即二人を引き離しそれぞれに明るい話題をふって気をそらす。認知症なら直ぐにトラブルのことが記憶から消えてなくなるからだ。

 

だが今回の傍聴者はそれをしなかった。Aに近付き、この事件の始まりについて事細かくAに解いた。二時間言葉を発しなかったAが喋り始めた。「そんな事を私が始めたんですか?」記憶にあるかとたずねた。答えはNOだった。

 

この遣り取り一部始終を見聞きしていたBはおだやかな表情を浮かべ、手を差し伸ばしてAと握手した。